不定期連載児童小説
「ユリカの遠い旅」
-1- 宇宙空港 - 1
ぬけるような青空に大きな宇宙旅客機が日の光をあびて飛んでいきます。
そんな光景を見ながらユリカはため息をつきました。
ここは宇宙空港。もうすぐユリカの乗る便の受付がはじまります。
十歳のユリカはロビーにじっと座って、これまでの出来事を思い出していました。
ユリカのおかあさんはひと月前に病気で亡くなりました。
お父さんは遠い星で別の家族と暮らしています。
ユリカにはおじさんもいたのですが、お母さんより少し前に亡くなってしまいました。
そういうわけでユリカは、地球でひとりぼっちになってしまったのでした。
住んでいた家の大家さんは町の役場に行ってユリカを受け入れてくれる施設を世話してくれましたが、ユリカはどうしてもお父さんの所に行きたくて、旅立とうとしていたのでした。
大家さんや役場の人は心配してくれましたが、ユリカの決心が固かったので行かせてくれることになったのです。
宇宙空港 - 2に続く