ゆうとぴあんず5,小説,SF,作品,出る,礼子
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不定期連載小説
「ゆうとぴあんず」
−5.礼子−
「待った?」
華奢な体に事務服を着けた礼子が現れる。
持田と礼子は高校時代の同級生。
以前は会社が近いということもあって何となく時々会っていたのだが、
最近では礼子と持田の仕事のリズムが合わなくなり、会う事も少なくなっていた。
付き合っているという程の仲ではないが会えないと寂しい。
今日は持田の方から電話して昼食に誘ったのだ。
待ち合わせ場所は近くのラーメン屋。
雰囲気はないが、礼子のお気に入りの店だった。
「あたしはみそ」
「俺は塩ラーメン」
馴染みの店主にオーダーを出してから持田は礼子を見つめる。
持田の視線に気づいた礼子は目を下に落とした。持田が口を開く。
「この前桜井に会ったんだ」
別の事を期待していた礼子は少しがっかりした表情で答える。
「ああ、あの変わった人・・」
桜井は同級生なので礼子も知っている。
「そう、あいつに会ったんだ。又集まりに俺を誘ってきたよ」
持田はこの前、桜井に自分でこの話題を持ち出したことも忘れてこう言った。
「あの人時々変な目をしてたでしょう」
「へえ。そうなんだ?」
持田は桜井のそんなところは知らない。
まじめなやつだとばかり思ってはいたのだが奇行があってもおかしくはない。
「で、おかしな事を言うんだ。もうすぐ大変なことが起こるんだって」
「その集まりって予言か何かなの?」
小さな口でラーメンをすすりながら礼子が言う。
「さあ。俺は行ったこともないし、あいつも誘うだけだしな」
「怪しいわね・・」
礼子は、はなから相手にしていないようだ。
6に続く
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